がん・希少疾患・難病・CNS領域疾患の患者の99%がよい取り組みと高評価。 Patient Centricity(患者中心)やPPI(患者・市民参画)活動に関する患者調査。


3Hメディソリューション株式会社(東京都豊島区、代表取締役 滝澤 宏隆)は、第一三共株式会社と共同で医薬品開発におけるPC(Patient Centricity/患者中心)やPPI(Patient and Public Involvement/患者・市民参画) といった取り組みに関する患者調査を実施しました。

近年、PCやPPIといった患者の声を医薬品開発に取り入れる取り組みが進み始めています。一方で欧米に比べると、日本ではまだ課題も多く、取り組みが不十分な部分もあります。こうしたなか、今後PC/PPIの取り組みを進めていくうえで、患者がこの活動についてどう感じるのか調査を実施。がん・希少疾患・難病・CNS(Central Nervous System/中枢神経系)領域疾患の患者201名に回答いただき、患者視点でのPC/PPI活動の必要性を明らかにしました。

■調査サマリー
 PCやPPI活動に関する取り組みについて「よい取り組みだと思う」77.6%、「どちらかといえばよい取り組みだと思う」21.9%と合計で99.5%の方が「よい取り組み」と回答しており、患者から高い評価を得ていた。新薬開発で意見を伝える機会があれば参加したいかという問いに関しても「参加したい」64.2%、「やや参加したい」29.9%と計94.1%が参加に対し、前向きな回答となっていた。一方でPC/PPI活動への参加経験については、「参加したことがある」7.5%に留まり、「参加したことはないが、聞いたことがある」が51.7%の結果となった。今回の調査に回答した患者のほとんどがPC/PPI活動について好評価と参加意欲を示しており、今後、PC/PPI活動への参加機会の提供が必要だと思われます。
 なお、治験情報の入手や治験結果の共有、同意説明文書の理解度などの質問を加えた詳細分析は、以下よりご覧いただけます。

■調査概要
調査内容:PC/PPI活動に対する取り組みに関するアンケート
調査対象:201名/がん90名、希少疾患・難病16名、CNS領域疾患104名(重複有)
実施時期:2023年3月10日~2023年3月27日
調査手法:「生活向上WEB」、「オンコロ」、「レアズ」でのWebアンケート
調査主体:第一三共株式会社、3Hメディソリューション株式会社
実施機関:3Hクリニカルトライアル株式会社
調査内容:PC/PPIの活動、治験情報提供、同意説明文書、分散型臨床試験(DCT)などに関して質問

※PC/PPI活動について:本調査では、医薬品開発において患者の声を把握・理解し、患者と共に医薬品開発を進めていく活動という意味で使用しています。

■調査内容(本調査より4問を抜粋)
Q.(PC/PPI活動について)あなたは、製薬会社が行っているこのような活動についてどのように感じますか。【SA】(回答数201)

 「よい取り組みだと思う」77.6%、「どちらかといえばよい取り組みだと思う」21.9%を合わせると99.5%の方が「よい取り組み」と回答しています。CNS領域に比べ、がん、希少疾患・難病患者の方がより評価が高い結果となっています。

Q. 製薬会社が新しい薬の開発を計画する際に、あなたの意見を聴取する機会があったら参加したいと思いますか。【SA】(回答数201)

「参加したい」64.2%、「やや参加したい」29.9%と合計で94.1%が「参加したい」という回答結果となりました。また治験への参加経験がある場合、「参加したい」の回答が71.2%と参加経験がない場合の60.2%に比べ、10%以上高くなっています。

Q.あなたは、製薬会社が医薬品開発などの様々な企業活動の中で、患者さんの経験や声を取り入れていこうとする活動を行っていることをご存じですか。【SA】(回答数201)

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PC/PPI活動への参加経験ついては、「参加したことがある」7.5%。「活動に参加したことはないが、聞いたことはある」は51.7%となっており、「参加したことがある」とあわせても認知率は6割程度となっています。

Q.製薬会社が行っている”患者さんの経験や声を取り入れていこうとする活動”に参加をして、どのように感じましたか。参加をしてみて良かったこと、わかりにくかったことなど、なるべく具体的にお教えください。【FA】回答を抜粋

●患者の意見を取入れることによって患者本人の薬の効果を開発に活かすことができる(50代・男性)
●専門職から見た視点だけではなく、一般の人の視点を伝えられること(30代・女性)
●製薬企業で働かれている方の仕事や想いに触れることが出来、より医療の開発に携わっている方々へ感謝するようになりました(40代・男性)
●新薬が発売されるまでに、長い時間とお金をかけていることがよくわかった(70代・女性)
●自分のおかれている立場を見直し、今の満足度、不満があるとすればどういったところで、どうすれば不満を満足に変えることができるかなどをあらかじめじっくり考える機会が持てたこと(60代・女性)
●分かりにくさというより分からないことだらけなので、そのわからないことが聞け、お互いに理解が深まる場だと感じています(40代・男性)

治験情報の入手や治験結果の共有、同意説明文書の理解度などの質問を加えた詳細分析は、以下よりご覧いただけます。